スタッフ執筆コラム
「霧尾ファンクラブ」ファンクラブの皆様へ
三好藍美役 稗田寧々
TVアニメ「霧尾ファンクラブ」にて三好藍美の声を担当しています、声優の稗田寧々です。
まずはTVアニメ「霧尾ファンクラブ」全12話を見てくださった皆さま、本当にありがとうございます!
もう、もう本当に素晴らしかったですね…!!
胸がいっぱいとはこういうこと…!!
原作を読破した時と同じ感情の揺さぶりagain…
最終話はキャスト&スタッフ皆さんで集まってリアルタイムで鑑賞会をしまして、それはもう大盛り上がり、爆笑爆泣きの大団円でございました。
遅い時間にも関わらずXでもトレンド2位になったり、沢山の方が最後まで一緒に楽しんでくれたことを実感しております🥲
完結した爽快感と満足感、そしてほんの少しの寂しさと。
余韻にひたりひたり、霧尾ファンクラブと出会ってからの今までの様々な出来事や感情が、走馬灯のごとく私の脳内を駆け巡っております。
どうにかして携わりたくて、
何時間もかけて何度も録り直したテープオーディション。
スケジュールの都合でほぼ寝ていない中、
目がバッキバキの状態で挑んだスタジオオーディション。
藍美ちゃんで合格したと連絡をいただいた時は、電話越しに鼻水を垂らしながら泣いて喜んだこと。
波役が詩音ちゃんだと知らされた日、
念願の共演に嬉しくてすぐに詩音ちゃんにLINEしたこと。
声優発表前にこっそり大阪で霧尾ファンクラブ展にお邪魔したことも。
アフレコがスタートしてからは何もかもがあっという間で。
「本当に大丈夫だったのか…?!」と帰り道詩音ちゃんと2人で不安になるほど、
スムーズ且つ短時間でサクッと終わった第1話のアフレコ。
休憩中に物真似のしすぎで(語弊あり)、
梶原さんが体調を崩してしまうというハプニング。
突如開催されたコロッケパーティー。
行ける時は収録後みんなでご飯に行って、
ぽんちゃん先生が来てくれたことも。
最終回のアフレコで先生からいただいたお手紙、本当に本当に嬉しかったなあ…。
そしてついに4月2日だー❗と思ってたら、
もう6月18日になってました。
う、うそだ…
早すぎて、もはやまだ始まってないのかもしれない(?)
毎週木曜深夜にテレビに張りついて、Twitterでは#霧尾ファンクラブ で検索スワイプしまくって、あまりにも週に1度の楽しみがすぎました😭
宣伝稼働では様々なイベントや取材に撮影、生配信もラジオもやらせてもらって、コラボも色々あって…
ううう思い出がありすぎる‼
藍美ちゃんと共に、それはそれはとても濃い数ヶ月を過ごさせていただきました。
取材やラジオでも度々言っていましたが、私、本当にこの霧尾ファンクラブが終わってしまうことがずっと寂しかったんです。
冒頭で“ほんの少しの寂しさ”とか書いてますけど大嘘です、めちゃくちゃ寂しい(T_T)
放送が始まったときも、アフレコが始まったときも、始まったら終わってしまう寂しさが常に心のどこかにありました。
だってそれくらい楽しみにしてたし大好きなんだもん(T_T)
えーん、どうしよう4月2日に戻ったりしないかな(T_T)
いっそアフレコがスタートした20XX年X月X日に戻らないかな(T_T)
エンエン
でも!ですよ。
でもそれ以上に、あのラストをアニメでも見届けられた喜び、幸福、達成感のようなものが今はとてもとても大きいです。
最後の最後まで「霧尾ファンクラブ」らしくって、笑顔と涙でぐっしゃぐしゃ😄😭😄😭
こんなにも情緒を乱してくれる作品に出会えて、超超超幸せ者だな~
🌸
アニメ「霧尾ファンクラブ」はですね、本当に本当に、キャストもスタッフさんも関係者の皆さんの作品への愛がものすごいんです。
公式インタビューやXでの記事などなどを見ていても伝わっていると思いますが、普段直接お話ししをする中でもその熱を節々で感じていました。
ガチで、みんながみんな霧尾ファンクラブファンクラブの会員だと思います。
全員の愛と情熱の結晶が、この第1話から第12話にぎゅぎゅぎゅと詰められているんです。
そこに三好藍美の声という形でお力添えが出来たこと、心の底から光栄に思います!!
本当に皆さんお疲れ様でした❤🔥
そして、地球のお魚ぽんちゃん先生。
こんなにも素晴らしい作品を世に産み出してくださり、本当に本当にありがとうございます!!
「藍美はほぼ私なんです」という先生の言葉、先生の大切な人生の一部を任せられたような気がして、この作品に携わるにあたってずっと芯に置いていた言葉です。
収録の休憩時間やご飯会で沢山お話し出来たこともほんとにほんとに嬉しくって!
作品のこともそれ以外のことも飾らず何でもお喋りしてくれる気さくさ、隠しきれないおもしろ狂気的ヤバさも込みで、ぽんちゃん先生の魅力やセンスにメロメロです。
大好き~🫶
そしてそして、三好藍美ちゃん。
藍美ちゃんみたいな子に、いつか出会えたらって思っていたんだよ!!
憧れだったの!!
藍美ちゃんと一緒だと毎回チャレンジングなことばかりでいつもドキドキだったけど、それ以上にずっとずっと楽しかった!
もうこれからは気軽にうんこって言えないのかな~ダメかな~やだよ~~⤵
根っこの部分に通じるものがあったから、藍美ちゃんといる時は心が解放されるような感覚があって。
私も知らなかった私の未知なる部分を、藍美ちゃんがたくさん引き出してくれました💐
藍美ちゃんを演じられてとんでもなく幸せだったよ❤
出会ってくれて本当に本当にありがとう❤
🌸
ちょっと長くなってきちゃったかもしれん、おおん(T_T)
まだまだ書きたいことはあるのだけれど(T_T)
そろそろ、まとめなきゃか(T_T)
兎にも角にも沢山の方にアニメという形でこの作品を届けられたこと、いち演者としてもいち作品ファンとしても、とーーーーっても幸せに思います。
「霧尾ファンクラブ」という作品が1人でも多くの人にとって大切な物語の1つになっていたら、これ以上に嬉しいことはないです。
本当に本当に、宝物のような時間をありがとうございました💝
FOREVER霧尾ファンクラブ
みんな大好きだよー!!!!!!!

『僕たちは“霧尾ファンクラブ”ファンクラブです』
監督 外山草
最終話ご覧いただきありがとうございました―
第1話…藍美と波が動いた!彼女たちの日常が確かにそこにあった
第2話…あの歌声はまごうことなく臓器まで愛してる
第3話…豚糞にまみれても尚
第4話…笑顔がなくなってしまった理由は深いけれど、きっと
第5話…藍美さん、その後、御くしゃみ花はどうしましたか?
第6話…既読のつかない届かぬ思い
第7話…わかってねぇな!アイツら!
第8話…寝癖と線香花火と裏表のシャツ
第9話…それぞれがそれぞれにそれぞれの想い
第10話…霧尾、部活やめるってよ
第11話…消したい記憶、変えたい世界線、無理ならただ立ち上がるだけ
第12話…霧尾が―藍美が―そして波が―
みんな卒業おめでとう!
僕たちアニメスタッフはまるで
彼女たちのドキュメンタリーを撮っていたようだ─―
ご視聴くださった多くの方々へ感謝を。

『霧尾ファンクラブ』
原作 地球のお魚ぽんちゃん
「この作品は、ぽんちゃんさんが描きたいラストまで絶対に描いてもらいます」
そう話してくれたのは、『霧尾ファンクラブ』を連載していたCOMIC リュエルの森川さん。
それまで連載作品の打ち切りが続いていて、怯えや不安を抱えながらこの作品を準備していたころにかけてもらった言葉です。
森川さんの言葉のとおり、『霧尾ファンクラブ』はわたしの描きたいことや伝えたいことを全て出し切れた、かけがえのない作品になりました。
無事完結し、わたしと『霧尾ファンクラブ』との物語も
ここで終わる──、そう思っていました。
…
終わらなかった!!!!!!!!!!!!!
最高のアニメが待っていた!!!!!!!!!
やったーーーー!!!!!!!!!!!
おい!!!!!!!!!!!!!!!
アニメ化って!!!!!!!!!!!!!!
すげーーーーー!!!!!!!!!泣泣泣泣泣
そう、『霧尾ファンクラブ』は終わらなかったのです!
原作の完結後に実写ドラマ化、そしてその1年後にTVアニメ化。
え~~~~~~すげぇ、すげすぎる。
え?わたしってすごくね?????
謙遜はしないヨ、わたしってすごい♬♪いぇ~い
でも。
わたし以上にすごい人が、たくさんいました。
それは、この最高TVアニメ『霧尾ファンクラブ』に関わってくださったすべてのみなさんのことです。
初めての顔合わせに参加させてもらったとき、監督の外山草さん、脚本家の皐月彩さん、作画監督の林奈美さんをはじめとする「チーム霧尾ファンクラブ」のみなさんとお話をして、表情を見て、確信しました。
「最高」
↑???
「最高」を確信とは???という感じですが、言葉を選ばずに言うと本当に「最高」だったのです。
作品についての愛、解像度、熱意。チームのみなさんすべてが同じ方向を向いてくれていました。
それから始まった脚本やキャラデザに関するたくさんの打ち合わせでも、「ここはどういう気持ちで描いていましたか?」「このキャラクターはこういう持ち物をもってそう」などと作品の世界観へのたゆまぬ興味と愛によって、TVアニメ『霧尾ファンクラブ』の制作が進んでいったのです。
そんなの、「最高」を確信だよ。
そして「最高」を噛みしめ「最高」を確信する日々を送る中でいよいよはじまったアフレコ。
稗田寧々さん。
若山詩音さん。
梶原岳人さん。
広瀬裕也さん。
小笠原仁さん。
伊藤彩沙さん。
和泉風花さん。
「最高」×7かい!!!!!!!!!!!
全員「最高」なんかい!!!!!!!!
すごいことですよ、見てください、↑の字面。
敬称と「。」まで含めて全員ぴったり7文字。そして7人。
「最高」のラッキーセブンなんかい!!!!!
この世は「最高」で仕組まれてるんかい!!!!
そんなハッピー陰謀論ではなく、彼らの「最高」の本質を見せましょう。
【彼らの「最高」の本質】
全員ほんとにいい人すぎ泣泣泣泣泣泣泣泣
全員めっちゃ思い描いてたキャラの声どんぴしゃだし泣泣泣泣
最高の声と表現力で、最高の命を吹き込んでくれてありがとうございます泣泣泣泣泣泣
ありがたいことにアフレコに呼んでいただきキャストのみなさんとも交流する機会があったのですが、藍美と波と霧尾をはじめとする『霧尾ファンクラブ』のキャラクターがそのまま出てきたかのように愉快でかわいくてまっすぐな方々で、出会って2秒で大好きになっちゃいました。
今からひとりひとりの家に行ってピンポン鳴らして「最高」とだけ行って帰りたいんですけど、捕まった方がいいですか?
もちろん、ここでお名前を出せなかった方やお会いしたことない方も、すべて「チーム霧尾ファンクラブ」です。つまり、どこまでいってもとことん「最高」なんです。
そんなTVアニメ『霧尾ファンクラブ』が大団円でラストを迎え、この楽しかった「最高」な日々にさよならを告げなくてはならないのが、心から寂しい限りです。
──
「ぽんちゃんさんの描きたいラストまで描いてもらう」
その言葉を今でも思い出します。
アニメ化で「最高」な出会いと経験に恵まれる。
そしてアニメを通してたくさんの人へ『霧尾ファンクラブ』を届ける。
漫画家としてこの上ない幸せな経験です。
これこそが、本当にわたしの描きたかったラストなのかもしれません。
改めて、キャスト・スタッフ・関係者のみなさま、TVアニメ『霧尾ファンクラブ』というすばらしい作品を生み出してくれて本当にありがとうございました。
そして最後まで見届けてくれた「最高」なあなたたちへ、心からの愛と感謝を送ります。
大好き大好きチュ(^з^)-☆
「学びと感謝と秘策」
制作進行 根本歩海
霧尾ファンクラブ第11話ご視聴頂きまして誠にありがとうございました…!
11話では感情の温度差で風邪ひくかと思うくらいモリモリの内容だったかと思います💦
星羅の土下座から始まり、初めて喧嘩した藍美と霧尾、、、、
その中でも完成したムービーを初めて見たとき、化学室のシーンでの満田の迫力のあるお芝居にとても感動しました、、
11話でしか登場しない老人軍団の皆様もお気に入りです…!
今回『霧尾ファンクラブ』では、1・6・11話と3話数担当させて頂きました。
私自身勉強させて頂くことがとても多かった作品です。
皆様にお力添えを頂きましたおかげで素晴らしい作品を作ることができました。
改めまして、ご参加頂いたすべてのスタッフの皆様に感謝申し上げます。
そんなスタッフ一同思いを込めて制作した、『霧尾ファンクラブ』はついに来週で最終回となります!
11話のラストで波が思いついた秘策とは…!???
是非最後まで楽しんで頂けましたら幸いです。
TVアニメ「霧尾ファンクラブ」を支える熱量
プロデューサー 福島みなみ
いつもご視聴いただきありがとうございます。
今回は制作の中で特に印象に残っていることを、いくつかご紹介したいと思います。
まず本作の魅力を語るうえで欠かせないのが、キャストの皆さんのお芝居です。
アフレコを通して印象に残った場面は数多くありますが、稗田さん演じる藍美は第1話から口の中に拳を入れ、吐こうとするシーンが登場しました。そんな稗田さんのお芝居にアフレコブースでは初回から笑いが起きており、「こんな稗田さんのお芝居はなかなか他では聞けないぞ……!」と感じるほど魅力的でした。
また、藍美と波の妄想の中での霧尾は、梶原さんのアドリブが輝いていました。表情の見えづらい霧尾というキャラクターは、声だけで感情を伝える難しさがあると思いますが、梶原さんはオーディションの時からそれを見事に表現されていたことも印象に残っています。
若山さん演じる波も、藍美との掛け合いの中で生まれたアドリブがいくつかあり、若山さんのセンスが光るシーンがありました。本編では耳を澄ませないとなかなか聞こえないので、ぜひ配信やBlu-rayなどで再チェックして探していただきたいです。
また本作は制作スタッフの中に原作ファンが多く、非常に熱量の高い現場であることも印象的でした。
中でも脚本の皐月さんは、原作ファンとしての視点を持ちながら、その魅力を丁寧に汲み取って脚本へ落とし込んでくださいました。
特に印象に残っているのが、第1話で藍美と波が霧尾くんと話す練習をするシーンです。藍美がペットボトルの蓋をいじりながら会話をしているのですが、これはアニメオリジナルの描写でした。
ほんの些細な仕草ではありますが、「藍美なら実際にこういう動きをしそう」と自然に思える表現で、キャラクターの解像度を高める大切な要素になっています。脚本会議でそのアイデアを初めて目にしたとき、原作への理解の深さとキャラクターへの愛情を感じ、とても感動したことを覚えています。
振り返ってみると、本作はキャストの皆さんのお芝居やスタッフ一人ひとりの作品への愛情、そして原作への深いリスペクトによって創り上げられている作品だと改めて感じています。
放送も残すところあと2話となりましたが、まだまだ見どころがたくさんあります。
ぜひ最後まで応援していただけたら嬉しいです。
「涙なめなめソング」の好きなところ
音楽 菊谷知樹
波の弾いているピアノをアレンジしおりまして、アレンジしながら感じた、
この曲の好きなところ、をあげてみました。
・キーがDb(変ニ長調)なところ
黒鍵を弾くことが多いキーで、これをサラッと弾ける波は相当ピアノ上手いですね。
ちなみに波のセンスの良さは、「ひょうきんな曲」でよくわかります。
・「目耳鼻口毛骨胃…」が気持ちいいところ
まるでお経か呪文のような気持ちよさ。
ここのコード進行が必殺のクリシェ…よいです。
・「私だけは絶対、、」で急にリズムがハネるところ
藍美の一番の思いが詰まったところでハネる、二人らしい。
そして不思議と違和感がない。すごい。天才。
・ラスト、「だから だいだいだいだいだいだいだい大丈夫…」がむちゃむちゃエモいところ
壮大なメロを二人でユニゾンで歌い切る、気持ちええです。
他にも色々ありそうですが、あげたらキリねえな…
いつか音楽の授業で、文化祭で、合唱祭で、「涙なめなめソング」が歌われることを
信じてやみません。
『晴れところによりくもり』
演出 濱崎徹
「この作品はギャグアニメではなく、青春物語として演出してください」
最初の打ち合わせで監督から共有されたこの言葉が、とても印象に残っています。
お恥ずかしながら、この仕事をきっかけに今作を知り原作を読ませていただきましたが、最初はキャラクターたちの突飛な言動や表情の面白さに目が行くのですが、読み進めるほどにその奥にある繊細な感情描写や、高校生らしい距離感、人間関係の複雑さが印象に残る作品だと感じました。
登場人物たちは決して必要以上に“いい人”として描かれておらず、普通に面倒くさい部分や不器用さも持っている。だからこそ関係性にリアリティがあり、その未熟さ込みで人間関係が成立していく様子に青春群像劇としての魅力があると思います。
ギャグ作品でありながら、ギャグを特別に強調しすぎず、作中ではあくまで当たり前のものとして扱われている点もこの作品らしさであり、監督の「この作品はギャグアニメではなく、青春物語として演出してください」に繋がるのだと感じました。
会話劇としてのテンポの良さ、青春群像劇としての繊細さ、その両立が非常に魅力的な作品だと思います。
そんな霧尾ファンクラブ、今回8話の演出をさせていただいたのですが、
修学旅行回と見せかけて霧尾と望の過去回です。
前半の大阪のシーンは2025年が大阪万博という事もあり、制作中はタイムリーな話数でした。
あのロシアンたこ焼き屋は無いけどたこ焼きの被り物は実際に売ってるとか、化粧した満田は可愛くなるようにお願いしたとか色々あるのですが、やはりメインは霧尾と望でしょう。
霧尾はキャラクター的に目が描かれないキャラクターです
最初は『桐島、部活やめるってよ』の桐島のような、メインの人物ではあるけど人格を見せないためのデザインなのかと思っていたのですが、実は……なキャラクターです。
霧尾は基本的に表情も変わらないので絵で表現するのが難しいキャラクターなのですが、
8話は幼少期の霧尾や回想の最後の泣いてる霧尾など声優さんの素晴らしい芝居も合間って感情の溢れる霧尾が沢山見られたと思います。
感情を見せないデザインのキャラクターなのに、その感情を隠すようになった理由を含めて人間らしい感情溢れるキャラクター霧尾。本人の天然も相まって最後まで目が離せません。
が、物語的には不穏な空気が......
この後残りの話数ちゃんと笑えるのだろうか!?
乞うご期待です!!
天ぷら職人
アニメーションプロデューサー 高野健一
霧尾ファンクラブ #7のご視聴、ありがとうございました。
サテライトで制作プロデューサーをしている高野と申します。
どうかよろしくお願いします。
さて、30年位前になるかと思いますが、
田無の同業他社さんでアニメ化した、食通漫画がありました。
食通が新聞社に来て言うんです。
「明日までに腕の良い天ぷら職人を数名用意しておけ」
新聞社の部長は、腕のいい天ぷら職人を数名用意します。
そして、真に美味しい天ぷら職人は、誰か、食通と食通の息子で勝負するのです。
なんかアニメの仕事は日々こんな感じです。
「◯日までに(霧尾ファンクラブという題材を)素晴らしく揚げられる
腕のいい天ぷら職人を用意しておけ」
となるわけです。
ふっ…最高の天ぷら職人を用意してやるよ…!
(大丈夫なのかしら…?)
ただし、アニメはご存知の通り絵が沢山必要です。
作る天ぷらは300人分×12回です。手分けして天ぷら職人を当たります。
◯さんは海老天は得意だけど、野菜天は苦手です。
×さんは、銀座の高級店に引き抜かれてしまいました。海老天一本で1万円します。
△さんの天ぷらは、確かにしっかりあがっているけど、なんだかべっとりしていて、脂っこいわ・・・
こらー時間がないからってスーパーで天ぷら買ってくるんじゃない!
くっ…こうなったら、もう一度こちらで揚げ直すしかない…!
そんな感じです。
霧尾ファンクラブは、肝心の料理長が素晴らしいので、
食通の目に叶ってくれると信じています。
高野健一
「”推し”に捧げた1年と半年」
アニメーションキャラクターデザイン 林奈美
6話をご視聴いただき、ありがとうございます。
画像のシーンは原作を読みながら何度も涙した、とても印象深い場面です。
連載中、読者だった自分は霧尾くん!?と心の中でざわざわしていた思い出があります。
アニメでは、霧尾を演じる梶原さんの演技に圧倒され、私自身も涙しながら感情を込めて描きました。
また、演出の方の演技指示も素晴らしく、「目がない中でどう涙を表現するか」という点について、
違和感のない映像にするため制作スタッフ一同で試行錯誤を重ねたシーンでもあります。
さて、林の推しは、地球のお魚ぽんちゃん先生の作品です。『サボり先輩』も先日発売されました。
3年前、サテライトでアニメ化してほしい作品のアンケートに「霧尾ファンクラブ」と記入していた自分ですが、そこからご縁がつながり、SFアクションの印象が強いサテライトで本作を制作させていただくことになりました。アニメファンの方には少し意外に感じられるかもしれません。
本作のアニメ化にあたり、原作の魅力を大切にし、原作者の先生には心から敬意を抱きながら制作に取り組みました。先生からは、アニメ化にあたり各キャラクターの細かな設定が分かる原案をご用意いただき、その資料をもとに監督と打ち合わせを重ねていきました。ラフ稿についても直接フィードバックをいただき、大変ありがたく感じていました。
また、本作は青春群像劇として描くという方向性を共有し、作画や演出面でもその雰囲気を大切にするため、胸に影をつけない、イメージ背景を控える、キャラクターをデフォルメしすぎないことなど、多くの作業者に伝わるよう注意事項をまとめながら制作していました。
アニメ制作は多くの人が関わるため、意見がぶつかることもありますが、制作現場としては楽しい雰囲気を大切にし、スケジュールに追われる大変な時期があっても、最後には笑って「やって良かったね」と言い合えるような現場づくりを心がけています。
改めまして、地球のお魚ぽんちゃん先生の作品に関われたことを光栄に思います。
また、制作に携わる一員として、ご尽力いただいたすべての関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。
ぜひ最後までTVアニメ『霧尾ファンクラブ』をお楽しみください!
PS 先生がよく夢に出てきます。
初登場はまさかのお泊まり会で、ベッドに寝転がりながら一緒に笑っているという展開でした。
起きた瞬間ドキドキが止まらず、我ながらなかなかのキモオタだなと思ってしまいました。
これも先生の魅力からくる影響だと思います。
12本だけじゃ寂しいので、地球のお魚ぽんちゃん先生のアニメオリジナル作品などいかがでしょうか。

キャラクターデザイン
林奈美
恋はきっと、メロディとリズムとハーモニーでできている
a子
この曲では、メロディ・リズム・ハーモニーという音楽の三要素を、恋している時の気持ちに重ねて書いています。
好きな人のことばかり考えてしまう状態を“メロディ”、気持ちが揺れたり高鳴ったりする感覚を“リズム”、そして二人の関係そのものを“ハーモニー”として表現しました。
学生時代の恋って、どこか不器用で、でもすごくまっすぐで、少しの言葉や仕草に一喜一憂してしまうような繊細さがあると思っています。
この曲では、そんな“若さゆえの揺れ”や、“まだ形になりきらない感情”も大切にしたいと思いながら言葉を選びました。
音楽がいくつかの要素でできているように、恋もまたシンプルに見えて、いろんな感情が重なり合ってできているものだと思っています。
そのひとつひとつが少しずつ重なっていくことで、やがてひとつの“響き”になっていく――そんなイメージをこの楽曲に込めました。

霧尾ファンクラブには、私が存在しなくて面白い
シリーズ構成・脚本 皐月彩
波 「霧尾くん、下の名前で呼んでたね。皐月って。私たちは苗字でしか呼ばれたことないのに……」
藍美「……いや、『さ』が苗字で『つき』が名前の可能性もまだ」
波 「それはそれでやだぁ」
こんにちは、苗字が皐月のシリーズ構成担当・皐月彩です。
村岡皐月が私と同じ苗字だったら、藍美ちゃんも波ちゃんも傷つかなかったのに。私が皐月ちゃんを養子にむかえれば、霧尾くんは皐月ちゃんを苗字で呼んでいるのか名前で呼んでいるのか分からなくなって、彼女たちの傷つきも多少はマシになるぞ、と、連載当時思っていました。
そういう読み方をしているのは私だけだっただろうな。
10代のころ、確かに誰かに苗字と名前、どっちで呼ばれるかは一大事っぽかったなという記憶があります。
実際、藍美ちゃんと波ちゃんは、ほとんどの人に苗字で呼ばれていて、それが「この二人は特別な関係なんだな」と感じるギミックにもなっているわけで。
この、「ぽかったな~」っていうのは、だいたいの人が私の下の名前の方を覚えてくれてなかったせいで実感があんまりないから。
自己紹介で苗字を名乗れば「普通は下の名前で自己紹介しないよ」と注意され、苗字だと分かると私の下の名前をみんな忘れてしまう。忘却魔法のような私の苗字「皐月」。
先輩も同級生も猫も杓子も「皐月」と私のことを苗字で呼んで、下の名前何だっけ、と10年来の友人(だとこっちは思っている)にも聞かれてしまう。
あっちが私を苗字で呼ぶから、私も皆のことを未だに苗字で呼んでいます。でも、こういうバランスを気にしちゃうところも「誰かにどっちの名前で呼ばれるか」ということが、人間関係において結構大事なんだろうな、ということにつながる気がします。
皐月ちゃんはどんなきっかけで桃瀬くんと霧尾くんから「皐月」と呼ばれるようになったんだろう。男子と女子で下の名前で呼ぶって、「村岡」さんが二人いたのかもしれない。
霧尾くんは仲良くなったからってすぐに下の名前で異性を呼ぶ感じでもなさそうだし、たぶん、そんなに大した理由じゃないんだろう。
でも、その理由なんて関係なく、どうしても私たちは、この令和になっても「下の名前で異性を呼ぶってなんかすごいこと」みたいに感じる。変に噂も立ったりする。
そういう「下の名前で呼んでたキャッキャ!皐月って呼んでたもんキャッキャ!」に、「皐月」が苗字なんだと発覚してガッカリされてばかりだった私は、異性に下の名前で呼ばれるドキドキを感じぬままに10代を終えた。
あだ名も「さっつん」とか「さっちゃん」とか苗字由来だったし、付き合った人も、皆苗字で私を呼んだから。
あまり漫画の世界には、「皐月」という苗字のキャラクターが存在しない。『霧尾ファンクラブ』の皐月初登場回の脚本を書いているときにも思ったことだ。
一瞬、世界から私が切り離されていく感覚に陥る。
「珍しい苗字」がいない世界観は「リアリティがある」感じもするし、私の苗字がいないことでキャラクターたちの毎日は読者の人たちと近しいものとして輝きだす。
私の苗字をなかったことにするなって話じゃないんです。どちらかというと、そういう楽しみ方ができて、私はめちゃくちゃ楽しいんだぜ、という話。
どうでしょうか、全国の珍しい苗字の皆さん。あんまり登場する苗字じゃない私たちからすると、たまに自分と同じ苗字のキャラクターがいると「ちょっとお、こんなイケてるキャラの名前に使ったら私が負けちゃうじゃないっすか」ちょっと照れてみたり、いやいや、敵キャラかーいとツッコんだり、珍しいからこそ結構楽しめたりしませんか。
皐月ちゃんというキャラが完璧っぽい描かれ方をしていたからこそ、私はめちゃくちゃ照れながら霧尾ファンクラブを読んでいました。私も皐月ちゃんみたいだったら、作家とかじゃなくもっとキラキラで映えな生活を送っていたのかなとか妄想したりもしました。
よくいる苗字で世界と交わりやすい人がいるように、マイノリティ側だから楽しめる世界もある。
とはいえ、忘れ去られがちな私の下の名前も、親以外に呼んでくれる人がいてもいいよなあとぼんやり30年以上思ってきました。
そんな私も結婚してみると、パートナーから下の名前で呼ばれるようになりました。
皐月という苗字にもらってくれた夫は、それまで「皐月さん」と私を呼んでいた状態から、自分も皐月さんになったので「彩ちゃん」と私の呼び名を変えた。私の人生に現れた「彩ちゃん」呼びのSSRキャラ。皐月と呼ばれ慣れた私にとっては、少しこそばゆく、特別感がぐっと出てくるイベントでした。
そこでようやく私は、藍美ちゃんと波ちゃんたちがハラハラしている「名前呼びの特別感」を実感できた気がしています。下の名前呼びって、やっぱなんかすげえ特別な感じするわ!!!破壊力がやばかった。最近はすっかり慣れちゃったけど、改めて考えるとめっちゃ照れてたわ!!!
皐月ちゃん、桃瀬くんに初めて下の名前で呼ばれた時どんな顔してたのかめっちゃ気になるわ。私ならにちゃあって照れてたと思う!!! どうだった??? 女子から呼ばれるときとはやっぱ違うっすよね!!?
霧尾くんは、いつか二人を名前で呼んだりするんだろうか。
しなさそ~。全然想像がつかない。仲がいいとかそうじゃないとかの問題じゃなく、霧尾くんは二人をずっと苗字で呼ぶ気がします。
霧尾くんが過去に名前で呼んできた友だちの存在感も当然あると思いつつ、別個の問題として、藍美ちゃんは「三好さん」すぎるし、波ちゃんも「染谷さん」すぎるから。すごく、キャラに合ってるなって思っちゃうから。下の名前で呼ばれる二人はなんか二人じゃない気がするから!
はあはあ……。この感覚、分かってもらえますかね?
10代から仲のいい人たちを皆苗字で呼び続ける私からすると、苗字で呼んでるからって距離感があるってわけじゃない。ちょっと、二人が苗字含めて似合いすぎてるだけなんだよ、と言いたくなる。
それに対して藍美ちゃんは「そういう常識とかどうでもいいんで霧尾くんに下の名前を呼んでみてほしいんですけど????」と、きっと諦めなそうだけど。
しばらく経ってもずっと霧尾くんが「三好さん」「染谷さん」と二人を呼び続け、皐月ちゃんのことを「皐月」と呼んでいることに、一生やきもきしつづけては、下の名前で呼んでもらう作戦をいくつも、いつまでも二人で立てつづけて、結局あんまりうまくいかずに一喜一憂していてほしい。
たまたま上手くいっちゃったら、顔真っ赤にして「や、や、やっぱりいつもの方で大丈夫っすヨ……」と照れてほしい。
そんな彼らの「ない話」を、今でも毎日考え続けています。
実録・FANCLUBはこうして生まれた
スカート 澤部渡
オープニングテーマ”FANCLUB”を作った「スカートとODD Foot Works」のスカートの方です。普段はスカートというバンドを主宰しています。「霧尾ファンクラブ」はスカートのジャケットの数多くを手がけてくれたデザイナーの森敬太さんに勧めてもらって読み始めたのが最初だったので、まさかOPで参加するなんて!とても光栄です。
スカートは普段、正式なメンバーは私しかいないうえに内向的な性格ゆえにかなりクローズドなバンドに分類されると思います。でもときどきこうやってコラボレーションの話をもらうと、いろんな音楽の作り方があるんだな、と興奮もしますし、その分視野が広くなっていくような気がしています。今回の”FANCLUB”はまず最初にアニメ尺の89秒を目標に作り始めました。アッパーだけどそのアッパーさには人間的な繊細さがある作品なので、その性質をどうやって音楽に落とし込もうか、と探り探りやっていって現在の形に仕上がりました。イントロからPecoriくんがラップしてる間、鳴っているリフはギターの弦を2本だけ鳴らして、その1本はずっと同じところを弾いて、もう1本は上に下にと動き回る、というふうにして弾いているんですが、この感じも少しコメディっぽい、もしかしたら「霧尾ファンクラブ」っぽいのかな、なんて自分では思っています。
ODD Foot Worksの皆さまのアレンジやリリックも本当にかっこいい……自分一人で作っていたら絶対にこうはなっていなかった!スリリングでオーバー・ザ・トップなビートなのにどこか少し抜けたスラップスティックのムードも漂っていて超最高な仕上がり!アニメともども末長く楽しんでくださいッ!!!

本来の意味での「ファン」
撮影監督 志村豪
当作品のタイトルにもある「ファンクラブ」の「ファン」
これは「楽しい」などの意味を持つ「Fun」ではなく、
「熱狂的信者」などを意味する「Fanatic」の「ファン」です。
藍美と波の「推し活」はまさにこの「Fanatic」を体現したものだと思います。
2話では霧尾本人があずかり知らぬところで、
オリジナルラブ(涙なめなめ)ソングを制作し、
未遂に終わったものの、本人に送りつけようという狂気の沙汰。
二人の常軌を逸した行動は「推し活」とは何か
考えるきっかけを我々に与えてくれているのかもしれません。
皆様は「熱狂的な推し活」していますか?
撮影監督らしく映像の話もしていきたいと思います。
キモである「ラブソング~霧尾くんへ捧ぐ~」の楽曲制作シーンでは
夕方の音楽室という場面で、窓からの入射光と、
その光を受け反射して光る粒子によってシーンを彩っています。
この光の粒子は作中度々登場します。
美しく見せたいカットで賑やかしとして使われることもあれば、
今回のように話数のハイライトとなるシーンで使われることもあります。
夕焼けのオレンジの中、懸命に歌う二人の煌めきを表現しています。
一部歌詞の狂気から目を背ければ、青春の1ページといった雰囲気になったと思います。
1話でも霧尾の学ランが木に引っかかっているカットで
「霧尾くんの制服の神聖さ」が引き立つよう光や粒子が使われています。
業界外の方からすると「撮影」とは何をする仕事かよくわからないと思います。
基本的にはセルと背景を合成し、決められた動きをつける役割で、
その他にも画面にニュアンスを持たせたり、
空気感や雰囲気を作り上げていく役割を担っています。
担当するスタッフの技量やセンスによって仕上がりがガラリと変わる場合もあります。
「霧尾ファンクラブ」は撮影処理をゴリゴリに盛ったり、
前面に押し出す作品ではありませんが、
藍美たちの心の機微や、人間関係などを素直に伝えられる画面作りを目指しています。
ご覧の皆様が作品を楽しむ一助になれればと思います。
笑活 泣活のススメ
監督 外山草
第1話ご視聴くださり、ありがとうございました。
新入学新学期新年度の桜の花のころに放送スタートしましたこの作品、
新生活のお供にどうか最終回までお付き合いください。
魔法などの術をもたない普通の高校生たちが織り成すこの青春群像劇は、
誰かが誰かを思っている、そのベクトルの強さ、
更にとことん一方通行であることで織りなす笑い、切なさ、
予期できぬ出来事が展開されていきます。
誰かが誰かを思うベクトルを表現する作品の象徴として第1話では、
藍美が波を肩車するというシーンをカメラ固定のワンカットで撮りました。
アニメーション作画としては高度で難易度の高い挑戦でしたが、
スタッフの力を借りて表現することができました。
ご視聴くださった方々の胸になにかを届けられるシーンになっていたら幸いです。
藍美と波の二人が思いを寄せる(推しの)人をめぐり明るく進んでいた第1話、
ラストは一転し、雨のシーンとなり、藍美、波、それぞれ一人になります。
そこで見せる藍美と波の表情の違いも忘れずにいてください。
これから進んでいく物語のベクトルを象徴しています。
この作品で笑っていただきたい、泣いていただきたい、
笑っていいのか泣いていいのかわからくなることも度々起きます、
そんな時はぜひ笑ってあげてください、笑活、泣き活に大いに活用してください。
原作者地球のお魚ぽんちゃん先生とアニメ制作スタッフの思いのベクトルが、
どうかみなさんのもとへとどきますように


